新しいアトピー性皮膚炎の治療 Medical

外用薬以外の治療が登場

アトピー性皮膚炎の治療は古くから外用薬が中心でしたが、近年では新しい作用機序の注射薬や内服薬が登場しました。ステロイド軟こうなどの外用薬で治療が難しい中等症以上の患者様に適応となっており、飛躍的に治療成績が向上しました。

デュピクセント

中でもデュピクセント®︎(デュピルマブ)は生後半年から成人まで使用できる薬剤で当クリニックでも小児の患児への投与に対応しております。ステロイドなどの外用薬で改善しにくいお子さまの寛解導入に大変有用なお薬です。現状の治療でお困りの患者様は是非ご相談ください。

具体的な投与方法

デュピクセントは2週に1回投与を行う薬剤で、投与方法は皮下注射です。
一般的な予防接種と同様に上腕伸側(二の腕の裏側)に注射するか、腹部の臍周りか太ももに注射することで投与が可能です。
ご自身で打つ場合は、腹部の臍周りか太ももに注射を行います。ご自身でない方が打つ場合は上腕伸側に注射することも可能です。

新しいアトピー性皮膚炎の治療

※サノフィHPより

デュピクセントは注射薬となりますが、自宅での自己注射(お子さまの場合、保護者の方)が可能です。
院内で数回看護師と共に練習し手技を確立の上、自宅での自己注射に移行します。
自己注射が可能になれば病状次第では通院は1〜3か月に1回となり、2週間に1度来院する必要はなくなります。

ミチーガ

6歳以上で適応となるミチーガ(ネモリズマブ)も対応しております。
デュピクセント同様注射薬となります。

デュピクセントとの違いは4週に1度の投与となります。

自宅での自己注射、院内での投与どちらにも対応可能です。

ただし、デュピクセントのように自己注射のデバイスがないため、自己注射の際の手技がやや煩雑になります。

それ以外に大きな違いはございません。

リンヴォック

また、12歳以上で適応となる内服薬のリンヴォック(ウバダシチニブ)にも対応しております。こちらは内服薬になります。

連日内服して治療を行います。

治療前に、レントゲン検査と血液検査が必須となります。

治療効果などに大きな違いはございません。

費用

上記の新しいアトピー性皮膚炎の治療薬は従来の治療に比べると大変高価なものとなっています。
小児の患児の場合(東京都の場合は高校生まで)は医療助成の対応となるため全額無料となります。
成人の方の場合は高額療養費制度が利用できます。患者様の収入などにより自己負担額は異なります。

詳しくは来院した際にご相談ください。事前に概算を知りたい場合は各メーカーにお問い合わせください。
患者様の収入などを参考に自己負担額のシミュレーションなどをしてくれるサービスもございます。

詳しくは各社HPからご確認ください。

受診方法

まずは当クリニックを受診してください。

受診は予約サイトからご予約いただくか、予約なしでも受診可能です。そのままクリニックへお越しください。

基本的には初診時に診察とその結果をお話させていただきます。その後どの薬剤を使用するか相談し、2回目以降で治療を行う予定です。

他院で治療をされていて当クリニックへ移行希望の患者様は当クリニックへ事前に連絡の上、ご相談ください。

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金 尚英

執筆者

金 尚英KIN NAOHIDE

副院長

赤羽小児科クリニックの副院長、金 尚英(きんなおひで)です。私自身、二児の父親として子育てに奮闘する毎日を送っております。
その実体験を活かしながら、皆様のホームドクターとして、信頼に応えられるようこれからも学び続け、成長してまいります。
必要な時にいつでも頼れる存在として、ちょっとした体調の不安や育児のお悩みなども、ぜひお気軽にご相談ください。

所有資格

  • 2011年 日本大学医学部医学科 卒業
  • 2011年4月〜 川口市立医療センター 初期臨床研修(小児コース)
  • 2013年4月〜 日本大学医学部小児科入局 附属病院にて後期研修
  • 2015年4月〜 あしかがの森足利病院へ医局派遣
  • 2015年10月〜 沼津市立病院へ医局派遣
  • 2016年10月〜 都立広尾病院へ医局派遣
  • 2020年4月〜 赤羽小児科クリニック 副院長就任